過食嘔吐を治す、「自分を取り戻す」そんな気持ちで歩んだ克服への道



Sponsored Link

15歳の頃にダイエットがきっかけで摂食障害になりました。はじめは拒食→過食→過食嘔吐という経緯をたどり、終息→再発となった時期もありましたが、今は克服して8年になります。就職して、結婚して、子どもにも恵まれました。そんなわたしの今だから語れる摂食障害だった頃の自分、今回は主にどうやって克服したのか、についてお話したいと思います。

■あなどっていた過食嘔吐とコントロール不能になったわたしのこころ

わたしが10代後半から20代前半にかけての数年間に及ぶ摂食障害を克服できたのは、信頼できる主治医とカウンセラーとの出会いがあったからでした。家族も一生懸命になって支えてくれ、感謝していますが、この病気は到底専門家の力を借りずには克服できなかったと思います。それだけ、根が深い病気です。

そしてもう一つ、信頼できる専門家2人との出会いのほかに、わたしが摂食障害を克服するために決して欠かすことのできないことがありました。
それは、”わたし自身の「治したい」という気持ち”です。もっと言うと、”わたしは摂食障害を「治すんだ」という決意にも似た、強い気持ち”です。

もちろん、こんなふうにはじめから思っていたわけではありません。
過食嘔吐をはじめてした時は、「ついにやってしまった・・・。」というショックが大きかったですし、自分のこととして受け止めるのにも時間がかかりました。ですが、一方で「自分の意思で嘔吐したのだから、自分の意思でいつだってやめられるだろう」とたかをくくっていたところもありました。

結果、そんな甘っちょろい予想は簡単に裏切られ、どんどんはまっていって、抜け出せなくなりました。ふつうの食生活がどんなものだったのか、だんだん思い出せなくなってしまうくらいに。そうなってはじめて、自分で自分のことをコントロールできなくなってしまったという事態の大きさと、それに対する恐怖と絶望感をずっしりと感じるようになりました。

わたしはただ、みんながしているダイエットをやってみただけ。はじめはそうだったはず。なのに、こんな病気になってしまうなんて。そんな思いでした。
自暴自棄になって、過食嘔吐だろうがなんだろうが、自分はどうせこんなんだし、もうどうでもいい。こう思っていた時期もありました。

■「治したい」を力に わたしが回復の道を歩みだしたとき

そんなわたしが「治したい」そう本気で思うようになったのは、カウンセリングに通ってしばらくしてからのことだったと思います。
以前から「こんな自分はもう嫌だ。治したい。」という気持ちはありましたが、どこか「ぼやき」のような、意思のこもっていないものだった、あるいは、他人まかせに「治して、助けて。」というようなものだったのかもしれません。

カウンセリングに通い、カウンセラーの先生のあたたかさに触れ、「この先生となら、今の苦しさを乗り越えられる」と思えるようになりました。

それまではずっと「人に好かれたい」という気持ちが強く、「自分はどうなのか」ということが抜けていることが多かったです。
わたしにとっての「いい自分」は「コツコツ努力をして、結果を出すことができる自分。謙虚な気持ちで誰にでも優しくできる自分。」。でもそれは自分で考えて思ったことではなくて、頭の中に『こういうもの』として、いつの頃からか強固に染みついていたものでした。そして、理想の自分になろう、なろうと一生懸命でしたし、「努力すれば自分は変われる。」と信じていました。「努力すれば自分は変われる。」って一見、すごくいい言葉のように思えますし、実際使い方を間違わなければいい言葉なのですが、わたしの場合は無自覚のうちに、本当の自分から目をそむけ続けるために使ってしまっていました。

「変われる」ということは裏を返せば、「今の自分に満足してない」ということです。「現状で満足するな!上を目指せ!」という言葉がよく叱咤激励する場面で使われますよね。たしか、塾の先生がよく言っていたような気がします。(塾あるあるですかね。)この使い方は、まちがっていないと思います。
なぜかというと、「満足するな」と言っているのはあくまで「今の状況」に対してだからです。たとえ「今の自分に満足するな!」という言葉のチョイスだったとしても、意味としては「自分の考え方や状況に満足するな」ですよね。だれも「自分そのものに満足するな!」と言っているわけではありません。

ですが、わたしは「自分そのもの」に満足していませんでした。ちょっと小難しく言うと「自己肯定感がなかった」。自己肯定感とは、何となく自分は自分でいいのだ、という安心感のようなものです。わたしにはそれが欠けていました。プライドはあって、自分を認めてほしいという気持ちも人一倍あって、そのためには必死になって気配りもするし、にこにこ笑うし、へとへとになるまで努力もしました。今思うと自分の中身がない、形だけあって中がすかすかの「はりぼて」のような状態で風にさらわれないように柱にしがみついていた、という言葉がぴったり。

でも、本来は「変わろうと努力すること」は悪いことではなく、むしろ望ましいことですから、自分自身も周りの人も誰も、それがいびつな形をして今にも崩れ落ちそうな危ういこころの裏返しだとは気がつきもしなかったのです。

■カウンセリングの実際 「この人ならどんな自分も受け止めてくれる」とはじめて思った出会い

カウンセリングでは、自由に自分が話したいことを話しました。時々先生が、「どうしてそう思ったの?」「こういうふうには考えなかったの?」と別の視点で考えてみるきっかけをつくる言葉を投げかけてくれます。

カウンセラーの先生は「あなたはこういうところを治さないと。」「そう考えるからしんどくなるのよ。」というような指示をするようなことはなく、ひたすらわたしが自分のこころと向き合う過程をいっしょに歩んでくれました。それまでのわたしは、人に弱みを見せられない人でした。誰かに聞いてほしい、という気持ちよりも、それを聞いた相手が自分のことをどう思うかの方がずっと心配で、とても本当の自分なんて見せられなかった。ですから、友達に悩みを相談するという経験はほとんどありませんでした。

カウンセリングを受けているあいだ、何度も涙したことがありました。そんな時先生は、涙を拭くティッシュを渡してじっと待っていてくれました。カウンセリングは1時間の枠で予約するのですが、調子が悪くて急に休むときがはじめの頃はしょっちゅうで、わたしは迷惑をかけている罪悪感でいっぱいになりましたが、「気にしなくていいよ。今日はしんどかったね。」と声をかけてくれましたし、母が休みの連絡を代わりにしてくれた時も、わたしにくれぐれも気にしないように伝えてほしいと伝言してくれました。

いつもわたしとの間にちょうどいい距離感を保ってくれる先生でしたが、わたしと話している時にごくまれにですが、先生の目がうっすらうるんでいる時もあり、静かで、でも愛情の深い人なのだと気がつくのにそう時間はかかりませんでした。

この先生に出会ってはじめて「この人ならどんな自分も受け止めてくれる」というこころからの安心をわたしは知りました。そこから長い長い時間をかけて少しずつ自分を立て直していきました。

そして、その過程の中で「摂食障害を治したい、治そう。」と思うことができるようになりました。

■摂食障害克服への道 わたしがわたしであるために 毎日書き続けた日記

わたしがしたことは精神科への通院、投薬治療(抗うつ薬と精神安定剤)、カウンセリング治療のほかに、日記を書くということを続けていました。この方法は誰かに教えてもらってしたわけではないので、あっているのかいないのかわかりませんが、わたしにとっては自分を客観的に見ることができ、それはいい変化をもたらしてくれました。

真っ白のノートに、今日食べたものと嘔吐の状況について書きました。そして、「今日は我慢しようと思っていたのにダメだった。明日からまたがんばろう。」とか、「今日はこの時過食したい衝動にかられたけれど、打ち勝った!えらいよ、わたし。」などその日の感想と、前向きな気持ちで(時には後ろ向きな気持ちも)つづりました。その他にもその時悩んでいたことや、言われてうれしかったこと、こんな出来事があったなど、思いのままに書き連ねました。

毎日新しいページに書くので、今日がだめでも、明日はまだ真っ白だ、そんな気持ちにもなれました。

そして、毎日決意していました。「過食嘔吐はもうやめよう。」ということを。
やはり、この気持ちが一番大事だった、と今にして思います。わたしは、拒食、過食嘔吐という摂食障害で自分をコントロールできなくなりました。ですが、今度は摂食障害と正面から向き合うことで、失った自分をもう一度この手に取り戻そうとしていました。わたしのことは、わたしが決める。もう、ふりまわされたくない。と思っていました。

■こころは今、どんな状態ですか?

ですが、こうやって自分の摂食障害と向き合うことができたのは、やはり治療が順調に進み、少しずつ回復の兆しが出てきていたからです。
もし今、このブログを読んで下さっているあなたが、「治したい」と思っているのになかなか思うようにいかない、その気持ちを持ち続けることでできなかった時の自分を責めてしまってつらいというような状況であるなら、まだ十分なこころの準備ができていないのかもしれません。

それはあなたが悪いのではなくて、こころが少し疲れている、SOSを出しているんだと受け取ってください。責めるのではなく、「苦しい」と叫んでいるこころをそっと抱きしめてあげてほしいのです。まずは、そのこころを守ってあげること、休ませてあげること、を何よりも優先するようにしましょう。


ランキングぽちっとよろしくお願いします!更新の励みになりますm(_ _)m

ブログランキング・にほんブログ村へ          



Sponsored Link